絵画のモデル

絵画のために自分の姿を提供する仕事。

画家の注文に応じて、画家が望む衣装を着て、「ポーズ」(静止姿勢)をとり、誰かの「フリをする」。

19世紀などでは、絵画は立派な「媒体」でもあった。絵画に描かれた題材は、ヨーロッパでは、上流階級の人々の話題やゴシップのネタにもなった。

ヨーロッパの17世紀~18世紀などの絵画は、しばしば主題は聖書に含まれる物語などからとられていて、その場合、描かれるべき本人を画家は見ることはできないので、モデルを用いて、そのモデルに衣装などを着せて、物語の設定に合わせたポーズをとらせて、絵画を描いた。 17世紀や18世紀のヨーロッパの画家の中でも大家は、大きなアトリエを構え、そこにさまざまな衣装類や小道具類も用意していた。当時のヨーロッパの絵画(油絵)の制作のためのアトリエは、いうなれば現代の「写真スタジオ」のようでもあった。

(クロッキーのモデルなど、かなり短い時間で済むモデルもあるが)油絵のモデルというのは、たいていは数時間~数日程度以上、同じポーズをとる必要があり、(画家にもよるが)長い場合は数週間以上に渡って同じポーズをとりつづける必要があった。その意味では、身体的にそれなりにつらい仕事である。

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